リトアニアへ4~湖上のトラカイ城へ行く
ヴィリニュスからバスに乗ってトラカイ城へ行きました。
湖上に建っている。それだけでドラマティック、そして思っていたよりも新しい印象。
城内は思いのほか広く、入ってすぐの大きな広場には拷問具が置かれていてギョッとしましたが、ためらいなく記念写真を撮る観光客も多くさらに驚きました。
宮殿内は見事な木製の回廊が張り巡らされていて、中世の映画の世界に紛れ込んだようです。回廊の中庭は日差しは強くても影に入るとひやっと涼しい。
回廊途中の小部屋にはトラカイ城の繁栄と衰退と再建の歴史が展示されていて、読めなくても部屋の順番を間違えなければ何となくわかるようになっていました。
沢山のコインが蓄えられた土器の展示があり、かつての繁栄をうかがい知ることができましたし(特に金属の流通量)、また戦争や飢饉などで衰退した城の様子は今の面影がほとんどなくただの廃墟だった事もわかりました。
現在の外観のほとんど(特徴的な円錐の屋根など)が再建後の建物なので「新しいお城」に見えたのにも合点がいきました。
王座の間を彩る天井を支えるアーチも美しいです。
城を出て周囲をぐるっと散策すれば、かつての城壁と再建した部分の差がはっきりと。そして目の前に広がる静かな湖面は歴史とは打って変わってゆったりとのんびりした空気に満たされています。
社会人時代にマリーナが隣接しているショッピングセンターで仕事をしていた事もあってか、水際の空気に懐かしさを覚え、特に時間制限もないので30分ほどのクルージングにも参加しました。
パドルボードを楽しむ家族がいたり、湖上の別の角度から見る城もまた趣がありました。この日は風も穏やかでお天気がよく、水面を滑るとはこのことと言わんばかりのクルージング日和でした。
昼食に見た目がでっかい餃子、もしくはでっかいサモサに似たトラカイの郷土料理「キビナイ」を。
キビナイは14世紀頃トラカイの傭兵としてクリミアから連れてこられたカライム人(中東アジア系の人達)が持ち込んだ料理とされていて、既視感あるのも納得。ナツメグやオレガノがガツンと効いてお口の中が急にエキゾティックで美味でした。思い起こせば宮殿内の展示にもカライム人の様子が再現されていましたね。
お城にたどり着くまでのあいだ、道沿いに3つ窓が特徴的なお家が立ち並んでいるのですが、これはカライム人伝統の様式なのだそう。
海に囲まれた東の端の国にいると特別な事に思えるのですが、西洋とアジアの文化の交流ってこんなところにあるんだな・・・そんなことも楽しみつつ、リゾート地でもあるトラカイのリラックスした雰囲気を存分に楽しみました。
観光バスだと城の桟橋にほぼ直着けになってしまうので、時間が許せば公共バスを利用し、お城まで道路沿いのルート、湖側のルートの両方を歩いてトラカイの空気感を味わってほしいと個人的に強く思いました。
だって湖畔のルートはとっても気持ちいいんですよ~。
<歩いたご褒美>
沢山歩くとそれなりにお腹も空きますよね?空きますよね?空くんですよ。
可愛らしいチョコレートのお菓子屋さんでおやつを楽しみました。
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