オーデコロン

暑いですね。湿度も相まってまとわりつくような暑さにぐったりしてしまいます。

暑い日に気分転換の香りと思いつくのはフレッシュで爽やかな香りのオーデコロンですね。

香水は香り成分の含有率によって呼称が変わり、高配合率のものからオードパルファム、オードトワレ、オーデコロンと呼ぶことは浸透されており、湿度の高い日本で特に夏の間は軽やかな香りと使いやすさからオードトワレやオーデコロンが好まれる傾向にあります。

そして不思議とオーデコロンと言われると多くの人がフレッシュな柑橘系の香りを真っ先に思い浮かべます。

ちなみにこれは最古のオーデコロンの原材料を元にした精油やスパイス。ベルガモットがキーフレーバーです。


機会があるとお話ししていますが、オーデコロンの始まりはイタリア人の理髪師フェミニスがドイツのケルンに移り住み1709年「オー アドミラブル(素晴らしい水)」を製造販売したことがはじまりです。

その後彼の甥ジョバンニ・マリア・ファリーナが事業を引き継ぎ1714年「ECHT KÖLNISCH WASSER エヒト ケルニッシュ ヴァッサー(ドイツ語でケルンの水)」として販売、1742年「Eau de Cologneオー デ コロン(フランス語でケルンの水)」と商標登録、1794年ナポレオン軍侵攻によってやって来たフランス兵がこれを持ち帰り人気がフランス全土にまで広がることになります。(蘇るインストラクター試験勉強)

ちなみにWEBでケルンの水を検索するとおおよそ1792年創業HOUSE OF 4711の「ECHT KÖLNISCH WASSER4711」という香水にたどり着きますが、これはファリーナの香水ではありません。

一説によると著作権などなかった時代の便乗商法とも言われていますが(実際ドイツ語のECHT KÖLNISCH WASSERは“あちこち”から販売され、ファリーナはフランス語で商標登録せざるを得なかった)、これを聞いた時には何処の国にも元祖と本家があって、真偽を追求するなんて無粋な事はせず、うまい具合にお互い切磋琢磨して生き残っていくのだなぁと思ったものでした。

こちらがファリーナのオーデコロンが購入できる博物館です→ファリーナハウス


さて、フランス兵が持ち帰った香水がファリーナのレシピだったのか、真似たものだったのかはわかりませんが、上下水の管理がなされていなかった時代だけにフレッシュな柑橘系の香りはインパクトが大きかった事に間違いはないでしょう。


レシピは当然秘伝なので詳細は確かではありませんが、私の試験勉強で知った材料は以下の通りです。

「ベルガモット、レモン、クローブ、ラベンダー、ローズマリー、ネロリ、アルコール90%」

精油ではなく原材料であり、これを醸造酒で蒸留してアルコール度数を上げるのか、漬け込んだチンキ剤の様なものなのか(当時は香水でもあり胃薬でもあった)・・・憶測は沢山ありますが、原材料を見るだけでも軽やかで爽快な香り立ちでありながら、時間が経つと柔らかく落ち着きのある香りに変わると想像できます。


オーデコロンは香りの持続時間が1、2時間と短く気軽に楽しめる香水で、暑い季節の気分転換やお風呂上がり、友人との気楽な食事の場面にはぴったりです。興味のある方は精油でブレンドしてみてはいかがでしょうか。


<ドイツと言えば・・・>

サッカーW杯、決勝Τ進出ならず残念でした。

個人的にはスウェーデンとメキシコを推していたのでアレなんですけどね。