フィンランドの陶芸とマリメッコ

茨城県陶芸美術館で開催されている「フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア」「マリメッコ・スピリッツ」に行ってきました。

ぱっと気持ちが華やぐカラフルなテキスタイルの数々、そして写真撮影OKとあって「マリメッコ・スピリッツ」は女性達で賑わっていました。当日は予約制のお茶会も開催されていてマリメッコの着物をお召しの殿方とご婦人がおられました。

テキスタイルは明るくて安定の可愛いさです。実際にデザインに使用した色鉛筆も展示もあり、見ると鉛筆の両端が削られていましたが、片端は鋭利に(細かい線用に)、もう一方は丸く(太い線用に)削られていて、デザインの元となるラフ画と照らし合わせてみると「ここは細い方で書いたのか、ここは太い方…間違えたりしちゃうのかな?」などと想像するうち、デザイナーの人柄にふれるようでそういったところにキュンとしました。

が、私の一押しは「フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア」です。

以前に北欧イベントの北欧ぷちとりっぷでビルイェル・カイピアイネンについてお話を伺ってからというもの、フィンランドのARABIAファクトリーミュージアムで開催された彼の作品展を観に行ったりとすっかりファンに。今回の展覧会はARABIAファクトリーの古い作品から現代の物まで展示されていますが、もちろんカイピアイネンの作品の展示もありました。

撮影は禁止されていたので写真はありませんが、兎にも角にも美しく濃厚で魅惑的です。なんとも形容しがたい玉虫のような輝きの釉薬、立体感、近寄りがたい優美さと力強さ。よく知られているパラティッシとは違う、実用ではなく芸術に突き進んだ作品は圧巻です。(鑑賞順路がマリメッコの前だった為か、みなさん割と素通りで「待ちなさい!よく見なさいこれだけは!」と心の中で何度叫んだことか。)

これはARABIAミュージアムの図録の表紙ですが。この図案とよく似た陶板があるので、後ろの人など気にせずじっくり見て夢の様な色と立体感に浸ってほしいです。


また、以前まで蝶々の作品のイメージしかなかったルート・ブリュックでしたが、展示されていた陶板の青さや緑の色が幻想的で、カイピアイネンとはまた別の美しさがあり、いいなぁと思うデザイナーが私の中に増えました。


同会場の会期は7月1日までですが、その後東京にもやってきます。楽しみですね。時が経ってみると他にも心に残っている作品がいくつかるので復習をしにまた行ってみたいと思います。

そしてマリメッコはきっと恐ろしいほどに混むんだろうな。


<いつ行ったのだ?>

世の中が浮かれるGW中に行って来ました。

なんの下調べもせず「そんなに混んでないだろ」と出かけたらまさかの大イベント陶炎祭会期中で、半端ない車列に飲まれました。でもそのおかげで入館料がお安くなったのでラッキー♪でした。