ビルイェル カイピアイネンの作品に会いに行く (バルト2国へ行く 寄り道)
バルト2国旅行の帰り、飛行機の乗り継ぎをするフィンランド ヴァンター空港で8時間の空きがあることがわかっていたので、ヘルシンキに出てARABIAファクトリー内のミュージアムで開催されている「Paratiisin Uudet Vieraat(パラティッシ 新しいゲスト達)」を観に行ってきました。
この展覧会はパラティッシをデザインしたことでも知られているARABIAファクトリーを代表するデザイナー、ビルイェル・カイピアイネンの生誕100周年を記念して、カイピアイネン自身が作った作品、そのなかでも華やかで芸術性に富んだ作品を展示しています。
ポスターはカイピアイネンがパラティッシのモチーフにしたスミレや果物がデザインされており、配置されたベリーを観てカイピアイネンのプレートに施される艶やかなビーズのデザインを思い出し「あぁなるほど!」とすでに感激気味でした。
実は2年前に参加した「北欧ぷちとりっぷ」で、お世話になっているFukuyaさんの店主から、大量生産できるシンプルで機能的なデザインが重視される時代でも「私が作りたいのは美しいもの」という信念を貫いた事、そして戦争や不況による重苦しい世相の中彼のデザインはフィンランドの人の心を明るく癒したなど、詳しく伺ってからというもの一度でいいから彼の作品を実際に観てみたいと思っていたのです。 当時のトークショー中にスライドで観た印象では「きらきらとしたファンタジーのような作品」というイメージでいたのですが見事に打ち砕かれました。
まずそれぞれの大きさ、肉厚さ、迫りくる有機物のような立体感に圧倒され少したじろいでしまいました。
こちらは彼を代表するデザイン「スミレ」をふんだんに盛り込んだプレートですが、表面はざらっとしていたり、モチーフの端はごつごつしているように感じます(触っていはいませんがつるりとした印象ではありません)。
作品の中には金彩が施されていたり、玉虫のように虹色に艶めく釉薬で美しく彩られているものもあり、一見とても艶めかしく女性的に見えますが、顔を近付けて観るとどの作品も力強くうねるような激しい感情があるようでした。
こちらはパラティッシの原型ですね。ビーズも1つがとても大きく立体的でみずみずしいベリーのようです。
一つ一つ成型し焼き上げた小さな陶器のビーズを組み上げて作られた鳥。お腹の中にはカイピアイネンが一番嫌った時間の制約の象徴である時計がびっしり。
ダイナミックな構図や湧き上がるように立体的に作られた作品からは、どのような時代にあっても負けないみずみずしくたくましい生命力に満ちているように感じられました。
会場にはビルイェル・カイピアイネンの生誕100周年を記念して作られた「ケトオルヴォッキ」も。
こんなに汗ばむような作品鑑賞をしたのは初めてです。タイミングが合う方は是非行かれてください。強くお勧めします。
<やっと会えたね♡>
ヘルシンキ中央駅で明りを抱え立つ4人。
前回は3人がバカンス中(改修中)でしたからね。
0コメント