待望のリンデンの香り
夏が忘れ物を取りに来たいみたいに蒸し暑さがぶり返しましたね。体調にはくれぐれも気をつけたいところです。
さて7月にバルト2国に行ってからというもの印象深かった樹木リンデン。
お土産に買ってきたリンデンのはちみつはすっかり空となり、さみしく思っていた頃に昨年からずっと探し続けていたリンデンの花の精油が届きました。
最近では以前は手に入らなかった種類の精油が数年経つと国内で入手できるようになっていたりするのでどんな香りだろう?想像通り?と、取り寄せる楽しみが増えて嬉しいです。
届いたリンデンの花の精油ですが、スウェーデンのハンドソープ「ブリュー」のリンデンフレーバーと同じ香りがします。
リンデンの花から有機溶剤チ抽出法(アブソリュート)で採取した精油で、華々しくもハーブティー同様ラストノートがキリッと引き締まるようで、オーデコロンやバスタイム、ベッドリネンにとても相性が良さそうです。
お風呂に入って奇麗な体になった時に香ってほしいと思う香りだなと思っていたら、販売元によると「バスタイムやお客様を招くときに」とあり、とひとしきりうなずいたりニヤついたりしておりました。
ちなみにリンデンの花はこの様に下にうつむいて咲くので背の高い木であっても下から覗ける可愛らしい花です。
この写真はヘルシンキはスオメンリンナ要塞に行った時のもので、ちょうど満開で下がった枝先からとても良い香りがしたのを覚えています。強い風が吹くとガクから先が風に乗ってクルンとまわりながら落ちてゆく様も優雅です。※1ギザギザと切れ込みのあるハート形をした部分が葉。淡い緑でもみじの翼果のような形の部分がガクです。※2ハーブティーにはガクから花までが使われています。
リンデンの花の精油はまだまだ一般的ではないためデータは少ないのですが、安眠や入眠への手助け、不安や緊張感の軽減などリラックス効果に大変優れているので、バスオイルやハンドクリーム、ルームスプレーなどに使えそうです。来年は夏のルームスプレー教室を開こうかなぁ・・・。
ハーブティーは草っぽさがなくてとても飲みやすく、エルダーフラワーとブレンドすると後味がすっきりして甘いお菓子にも相性がいいですよ。
これはスウェーデンの焼き菓子ハッロングロットルと一緒に。
ハーブティーの飲用の歴史が長い西洋では寝る前に安眠を促す一杯として飲まれていたり、鎮静作用と利尿作用から、高血圧の抑制や風邪のひき始めに発汗を促すために飲まれていて、子供も安心して飲めるハーブティーとして知られています。
安眠を促す効果については精油の効果と似ていますしいずれにしてもリラックス→血流を促す効果は期待できそうです。
興味本位でリンデンについて調べると西欧諸国全般で「自由」を表す事もわかりました。
ラトビアの歴史はバイキングの侵出(ちなみに8世紀ごろ)→スウェーデンとポーランドに分断→ロシアに併合→独立→併合→ドイツの軍政下→ソ連の占領→独立。
日本の8世紀は飛鳥時代あたりですが、日本と比べて激動すぎる歴史を歩んで来たかがわかります。
リンデンの蜂蜜を手に取った私に「それはとてもトラディショナルなフレーバーよ」と嬉しそうに言っていたお店の方の言葉が急に重みが増すなぁと今更ながら感じています(そんなに深い意味はなかったのかもしれませんが)。
さて心地よい清潔感を感じさせるリンデンの花の精油。バスオイルを作ってゆっくり湯船で秋の夜長を過ごしてみたいです。
0コメント